duo
ゲストパフォーマーに邦楽囃子方の望月太満衞を招いた本作は、ユニット名を(1÷0) ²と改名して制作された。尺八と鼓は、デュオで演奏される事が伝統的に無く、映像の中の二名は互いに背を向ける形でその事を示唆している。実際に設置されたディスプレイは結界の如く二名を囲み、その映像は心電図のバイタルサインの如くである。頭上の映像は、二名の音から生成されつつある受精卵のように鎮座して、奏者と聴衆を見下ろし、時に挑発する。
(1÷0) ²
尺八:黒田鈴尊
囃子:望月太満衛
映像:宮本貴史
ディレクション:浅野剛
撮影・編集:Tokyo Media Interaction
撮影会場:安養院 瑠璃講堂(東京)
この作品は、2人の演奏に後から電子音響が加わる、という前提での即興演奏と、映像とエレクトロニクスのコラボレーションです。 どんな音響が加わるか、どのようなタイミングで切り込んでくるか、無音はつくれるのか、等々を想像しながらの演奏は、邦楽の特徴でもある「間」を、より愉しむことにもなりました。また映像が入ることで「間」がさらに鮮明に存在していたと感じました。 演奏現場だけではない拡大されたコミュニケーションの結果は、これからは視聴者とのコミュニケーションに繋がります。どうぞお楽しみください。
尺八奏者:黒田鈴尊